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  • しんさん

教育基本法における「教育」の定義


「教育」って何でしょうか?

日本における教育の定義は、教育基本法にあります。

第一条に教育の目的が定義されていて、

(教育の目的)

第一条  教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

とあります。

特に注目したいのは、「平和で民主的な国家及び社会の形成者」という部分ですね。

教育とは、個人の成長として捉えるのではなくて、、「国家および社会の形成者」という、コミュニティーの一員の育成、という観点で定義されています。

第二条には、教育の目標が明文化されています。

第二条  教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

一  幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。

二  個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。

三  正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。

四  生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。

五  伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

この中には以前ご紹介したp21が定義する 21世紀型スキル(ブログ記事へのリンク)との共通点を、見出すことができます。教育基本法=>21世紀型スキルの形で整理すると、

・真理を求める態度=>批判的思考と問題解決(Critical Thinking and Problem Solving) ・健やかな身体=>健康のリテラシー(Health Literacy)

・創造性を培う=>創造性と革新性(Creativity and Innovation)

・主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う=>市民としてのリテラシー(Civic Literacy)

・生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度=>環境のリテラシー(Environmental Literacy)

・伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う=>グローバル感覚(Global Awareness)、社会と異文化(Social and Cross-cultural skills)

という対応と言えます。

この法律を知るまでは、日本の教育の考え方は、もうしかすると古いのかな、と思っていたのですが、、「創造性」という言葉が入っていたりして、結構ちゃんと書いてあるな、というのが私の印象です。

法律が完全でもすべででもないわけですが、今の日本における教育の公式な位置付けは、この教育基本法に書かれていると言えます。

※教育基本法へのリンクはこちら(総務省 法令データ提供システム)

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写真は、みらいのたねワークショップ風景より。

みらいのたねのワークショップでも、子どもたちの好奇心と創造性を大切にしています。

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